ぶちょーです。無事修論が一段落しました!やったね
これを期にブログ執筆活動もそこそこの頻度でやっていきたいなあと思っております。書くネタが思いつけば、の話なので相変わらず不定期更新ではあると思いますが。
今回の記事は、数ある音楽ゲームの中でもオンゲキだけに特有して行うことが可能である技術、「運指(譜面)読み替え」に関しての基礎的な知識の共有、および汎用的な実用例の提示をしていこうと思います。
また、前置きが長ったらしいので、ワザップ的な情報だけ知りたい!という方は3章から読むことをオススメします。
1. 運指読み替えとは?
オンゲキというゲームは、筐体の左右に赤・緑・青の3色のボタンが両側についており、計6個のTAP用ボタンがあります(今回の記事に壁ボタンは登場しないので割愛します)。
ただし、このゲームは6個のボタンがあるからと言って全ての譜面が6レーン上を綺麗に降ってくるわけではありません(もう流石に知らない人はいないと思いますが)。原則「3レーン+レバー操作」か「6レーン」であることが多く、譜面の各部分によって譜面のレーン数が変わる他、最近ではレーンの概念をが無くなっている譜面も登場しています。こういったゲームの特性上、「同じ色のノーツであれば、左側のボタンでも右側のボタンでも反応する」というゲームシステムの特徴があります。この特徴が、今回の記事の本質である「運指読み替え」を可能たらしめているとも言えるでしょう。
「運指読み替え」とは、この「同じ色ならどちらのボタンで取っても反応する」という仕様を逆手に取り、「譜面は左手で取れ!という指示になっている部分を、右手で処理する(その逆も然り)」操作全般を指します。通常、画面に表示されている譜面部分に想定されている取り方以外の操作は難易度が上がってしまうのですが、状況によっては大きく譜面難易度を下げることが可能となります。
本記事では、自分がよく使用している「汎用的な運指読み替え」をいくつか紹介し、技術の集約としての記事を完成させることを目的とします。
2. 運指読み替えに必要な基礎知識・技術
このセクションでは、後述する「汎用的運指読み替え」を実践するために必要な知識・技術を概説します。
必要知識というか、人によっては「ズル」と捉えられる部分のことかもしれませんが、オンゲキというゲームはbeatmaniaIIDXやSOUND VOLTEXなどと異なり、空POOR判定(空MISS判定)が存在しません。オンゲキの判定は点が高い順に(P CRITICAL BREAK)-CRITICAL BREAK-BREAK-HIT-MISSとなっていますが、このうち(任意の各ノーツにおいて)MISSとなる部分は押しても加点・失点の一切の判定が出ません。このことから、「HIT(BREAK)が出ないようにさえすれば」、空のノーツをいくら足したところで失点源になりません。お得ですね~。実際オンゲキの現時点における判定では、BPM220程度までの8分ノーツまでであれば巻き込みHITが出ることはないので、最悪全押しを連打することによって通せてしまうという訳です。
今回の記事では全押し処理を前面に押した方法は(あまり)紹介する予定はありませんが、紹介する運指読み替えの一部に「巻き込みHIT(BREAK)が出ないことを利用し、簡略化された手法」が多く登場するので、前提知識として紹介させていただきました。
運指読み替えは、多くの場合が譜面の指示に反した行動を取ることになるので、慣れるまでは実行が難しいです。譜面サイトや譜面動画を使用して練習をしたはいいものの、実際筐体の前で実行できるか…といったら結構体が指示に従ってこない!ということがしばしば起こります。そこで自分は、運指読み替えという技術に慣れるには以下の2点に関して意識する必要があると考えています。
1. 動きを頭だけでなく、体に記憶させる
2. 実際に実行する時は、目からの情報に頼りすぎない
の2点です。
1.に関しては、実行する動きを前もって勉強して、頭では記憶しているけれども実際に行動を起こすフェーズでは上手くいかない、ということが起こりがちです。後述する汎用読み替えは、(使用する脳のリソース的な意味で)簡単なものから難しいものまであるのですが、難しいものに関してはたとえ動き方を暗記していたとしても手が動かないということがしばしば起こります。その場合は勉強量が単に足りてないので、「記憶から動きを読み出して、手に実行させる」のではなく「無意識に手が動く」位までの練習が必要となるでしょう。
2.に関して、何故筐体の前だと失敗するかというと、そりゃあ「実際の譜面は運指読み替えされてない状態で流れてくる」からです。音楽ゲームは当たり前ですが目からの情報が最も大きく、基本的に「見たまま叩けば問題ない!」ということが往々にしてあると思うのですが、運指読み替えを実行した部分に関しては見たまま叩くと死にます。つまり、目から得られる譜面の情報にあまり意識を向けないという技術が大事になってきます。IIDXやボルテかじってる人からしたら何こいつ?って思われそうですがマジです。オンゲキのランカーもしばしば「ここは譜面見ない」などとのたまっているので…。
自分の場合では、運指読み替えを実行している部分に関しては「目は(判定以外には)画面にあまり意識を向けず、音(曲、TAP音)からの情報を重視する」ことを意識的、最近は無意識的に実行しています。参考までに。
3. 汎用運指読み替え集
本題です。実際の譜面においてどういう運指読み替えが実践可能なのかについて解説していきます。
「汎用」とついているのは、今回取り上げた譜面以外にも似たような配置があったら、同様の動作を実践可能であるということを指します。是非運指読み替え知識の集約として読んでいってください。
3.1 微縦連→交互
「同じ色なら両方のボタンどちらでも反応する」という性質が一番分かりやすく使われている例です。
オンゲキではしばしば「同色」の、「縦連っぽく偽装した交互配置」が登場します。あからさまに早かったり(ex.GEOMETRIC DANCE(MAS)やカナリア(MAS)などのドラムロール地帯)、あからさまに長かったり(ex.felys -final remix-(MAS)やSound Chimera(MAS))するものは交互で取る!という風になると思いますが、同様の理屈でこういう片手で処理しがちな微縦連(2打や3打)を両手で取れるようになると精度の安定感が増します。正直脳のリソースと釣り合ってない感じは否めなせんが…
ほとんどの人に「別にこんぐらい交互で取らんでも良くね?」と言われそうですが、自分がマジで微縦連の精度取るのが苦手すぎて、どうでもいい失点をしたくなさすぎてこの考えに落ち着きました。どれくらいかと言うと、MEGATON BLAST(MAS)のこの地帯をこうやったり、
なんならエンドマークはこうなります。
最後にこのパターンで最も有名な運指を紹介しましょう。ご存知、Titania(MAS)のラストです。
リズムがずっと2連という気持ち悪い配置であること、そして何よりBPM212の16分微縦連というかなり安定しにくい難所であるこの部分は、リズムさえ合っていれば途中までは全押し交互で処理できます。途中までは。最後の2×2はちゃんと両手で押さないといけない上、バカ早いのでここで赤が出て崩れがちです。Titaniaむずかしいよ~(当たり前)
3.2 階段→交互
階段っぽい配置になっている部分を交互で押す方法です。主に赤と青ノーツだけで構成されている部分で出来ることが多いですね。
ちなみにですが、AstrøNotes.(MAS)の同じようなところを交互押ししようとするともれなくHITまみれになって終わるので注意が必要です。おのれアマリリス!
3.3 階段→交互亜種(赤緑緑青4レーン)
オンゲキでは譜面において、よく外側4ボタンの赤-緑-緑-青の4レーン構成になることがしばしばあります。自分はよくボルテ譜面と言ったりしていますね。この配置では、階段配置(赤緑緑青or青緑緑赤)における緑の処理順番を逆にすることで、交互配置(いわゆる大宇宙配置)にすることが可能です。正直光らせやすさは大差無いと思いますが、階段が極端に光りにくい早さであったり、ゲシュタルト崩壊を防ぐという観点では有効だと思います。
Galaxy Blaster(MAS)に関しては、「ずっと階段で押しているとゲシュタルト崩壊を起こして赤が出てしまう」かつ、「一番最初は両手赤青同時なので最初から交互は難しい」という両者の折衷案を取った結果、「最初2セットだけ階段→あと全部交互」になりました。これ理論値運指らしいですよ。
3.4 赤青+緑の分業
オンゲキのボタンの配置順番は左から順番に赤-緑-青となっていますが、しばしば赤青を片方の手、緑をもう片方の手で分業すると交互化されたりと楽になる配置が結構多く存在します。
この分業方法は主に赤緑or緑青の指押し部分をすっ飛ばせるので、交互さえ出来れば精度を安定させやすいというメリットがあります。交互よりも指押しの方が光る…って人は無理せず普通に押した方がいいかもしれません。
また、前述した赤-緑-緑-青の4レーンの鍵盤の時(もしくは赤-緑-青の3レーン)、螺旋階段配置になっているときも同様に赤青+緑の分業が有効なことが多いです。
3.5 赤緑青を片側に寄せる
譜面数としてはあまり多くありませんが、同時押しが「赤+緑+青」のみ、かつノーツ場所が離れている(=両手で取ることを想定している?)場合は、同時押しを片手全押しに寄せることが可能です。譜面とにらめっこして同時押しがこのパターンの場合があったら、狙ってみてもいいかもしれません。
3.6 交互→階段
先程「階段→交互」にする運指読み替えを紹介しましたが、場合によってはその逆である「交互→階段」が有用であることがあります。主に交互配置が早すぎて追いつかない、という際のケアに有効です。ただし個人的には赤は出やすくなるので、ABFB用になることが多いかも…?
3.7 対称トリル
オンゲキの高難易度譜面によく出がちな配置である、「外側赤青」「両緑」「内側青赤」を組み合わせた螺旋(?)配置は、大体の場合「外側赤青」と「両緑」の両側片手トリルとして処理できます。まあ両側片手トリルにしても難しいんですけど……
3.8 Ai Nov式階段
Ai Nov式階段とはオンゲキの高難易度譜面でよく見かける、「始点がずれていく4個区切りの階段」配置のことです(自分が勝手に命名した)。一番最初に登場したのはご存知初代ボス曲、Ai Nov(MAS)です。
こういう階段は見たまま押すというのも勿論有効ですが、右手3左手1になる部分(もしくは右手1左手3)の精度が取りにくいので、2年前から難所と言われ続けていました。見たまま押す以外の対策としては、「(青緑赤…と綺麗に並んでいることを利用して)2-1or1-2で処理」、または「3-1になっている部分を読み替えて、2-2にする」ことが挙げられます。
自分の話になるのですが、上記で取り上げた譜面は読み替えをしている一方で、ω4(MAS)やDon't Fight The Music(MAS)の似たような配置はそのまま押しています。(見たままでも結構安定するのと、読み替えが難しそうという理由が大きい)
3.9 全押し処理
先述した仕様を利用した全押し処理です。8分以下はただ全押しするだけなので割愛しますが、16分入りの配置でも場合によっては有用なことがあります。ただし、これに関しては見たまま押せることに越したことはないので、どうしても安定しない…という場合に検討してみることをオススメします。
3.10 3鍵配置⇔6鍵配置読み替え
オンゲキではしばしば「3レーンにおける階段」および「6レーンにおける階段」が登場し、それぞれ「1-2(or2-1)で処理」および「3-3(両手3つずつ)」による処理が想定されています。しかし、これらの処理には互換性があるので、3レーンを6鍵階段として処理したり、6レーンを1-2(or2-1)で処理することが可能となります。
3.11 左右反転
文字通り、左手部分を右手で、右手部分を左手で処理します。運指読み替えの中でもかなり難解なので結構練習しないと上手くいかないことが多いですが、「片方部分だけガン見して、その部分を片方部分で処理することだけに意識を向ける」ことをすると比較的やりやすいと思います。
3.12 おまけ
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。3章の最後として、汎用性があるとは決して言えませんが、(おそらく)自分だけしか使っていないようなキモ運指を紹介して締めたいと思います。
4. おわりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!(2回目)自分の記憶を辿って色々種類別に分けて…ってやってもこれだけの分量を運指読み替えしてきたことに気付かされて、驚くばかりです。
最後に述べたいことは、「結局運指読み替えって技術、必要なの?」ということです。自分はbeatmaniaIIDXでサファリすらロクに倒せず、ボルテの19でクリアすらつかない程度の貧弱な鍵盤力しか持っていなかったため、自分でこういった運指を組み、押しやすい方法を模索してきました。しかし、オンゲキの地力が上がれば、今まで紹介した配置も見た通りにやれば安定して光るようになるでしょう。それも事実なので、結局運指読み替えに頼る必要はない…?と考えられる方も多いと思います。
結論から言うと、「見たまま押す能力」「運指読み替えが出来る能力」はオンゲキの上達においてどちらも重要だと考えています。何故そう言えるかという話になるのですが、一番の理由は「オンゲキというゲームが、従来の音楽ゲームのレーン構造に囚われない配置を置いている、また今後において置くことが出来る」ことが挙げられます。というか、もっぱらこういう譜面が存在しています。
例で挙げたStargazing Dreamer(MAS)は9レーン×2の階段がラストに降ってきますが、オンゲキにボタンは9個も無いので、9レーン×2を6レーン×3に読み替える必要があります。正規です。
つまり、「見たまま押せれば良い」というのは見たまま押せるように設計されている譜面全般にのみ言える話で、見たままどう頑張っても押せない譜面に関しては否が応でも読み替え技術を要求されることになります。このことが、両方出来るようになった方が良い、と言い切れる理由です。まあ自分ほど改造しまくらなくてもオンゲキは上手くなれると思いますけども…
以上が今回話したかった内容となります。本当に読んでいただきありがとうございました。
オンゲキは運指の自由度がとにかく高いことがこのゲームを面白いものたらしめていると思っているので、是非頭を柔らかくして、色々な押し方を試してみてください。
それでは~